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誰にとっての「有害」なのか

ある残虐な事件が起きたりすると、犯罪を助長しかねないとかいう理由で、ホラー映画や残酷な表現のある小説などが槍玉にあげられることがある。

青少年の健全育成と表現の自由がぶつかる事案として良く取り上げられるわけだが、一過性のバッシングで済む場合もあれば、公的な規制の枠がはめられるというレベルまで展開するケースもある。今回はその触手がゲーム業界に伸びてきた。

今日、ニュース検索をしていたら見つけたのがこの記事
神奈川県が全国で初めてゲームコンテンツに対して公的な立場から「有害である」と名指しした。その名指しされたゲームというのは「GTA3」。いわゆる「洋ゲー」と呼ばれるもので、海外では800万売れたとも1000万売れたとも言われるビッグヒット作品。日本でもカプコンから修正版がリリースされており、すでに30万本以上が売れている。

時系列を掘り下げるため検索をかけていくと、神奈川県の有害指定は先月末に出されており、電撃オンラインでは翌日にはそれに対応する記事を出している。先の記事は神奈川県の指定に呼応する形でSCEがコメントを出したわけだが、SCEのサイトを見る限り、このニュースに関するリリースは見つけられない。

ただ、ゲーム業界ではすでに、内容についての審査をして対象年齢に関するレーティングを出しているCEROという組織があるわけだが、神奈川県はそのCEROの指標を評価しなかった形になる。また、今回の有害指定を受けてか、コンピュータエンタテインメント協会(CESA)は、販売店にCEROの出しているレーティングに準じた販売体制を強化するよう呼びかけるというニュースも出ている。

こうした「有害」と一部で評されるコンテンツに対して公的な規制をかけようという動きは昔からあるわけだが、コンテンツ提供者側は「表現の自由」を御旗の印として抵抗するのが常である。現に今回の指定に対してカプコンプレスリリースを出すとともに、官の行き過ぎた行為に対しては法的対応策も視野に入れているという。

今回は神奈川県が先鞭を付けたのだが、これが神奈川県単独の規制で終わるのではないらしい。県のサイトにある5月31日の定例記者会見の記録を見ると、少なくとも1都3県にまで波及する可能性がある。そうなれば全国展開も時間的な問題になる。

なにが「有害」でなにが「優良」なのか。
そんなものはコンテンツを取捨選択する消費者の資質に関わってくる。情報過多であり価値観も多様な現代では個人のリテラシー能力が問われることになるわけだが、盲目的に御上に追従するという姿勢は公的機関にその判断を委ね、選択眼の放棄を意味しかねない。

おおかた今回の指定の背後には保護者団体(特にお母様方)の突き上げがあったのだろうが、我が子に見せたくないのなら自分で選択してやればいいのだ。母親にとって有害でも子供にとっては刺激的なものはたくさんあるし、その逆もある。
すっかりブームの去った感があるが、家庭を放り出して成田空港へのお出迎えや韓国ツアーにまで出かけさせてしまうヨン様はある意味でダンナや子供にとっては「有害」だし、不倫を助長し公序良俗に反するコンテンツだとして映画「東京タワー」は有害映画の指定だってできるわけだ。

権力にものの良否の判断をさせるということは、そうした可能性も秘めている。規制は強化の道をたどりやすい。だからこそ自主的な規制や判断が欠かせないし、その自主努力を消費者自身が評価・検証する必要がある。

その他の参考記事
カプコン、神奈川県のゲームソフト有害図書類指定に遺憾の意を表するコメントを掲載

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