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フィクションはフィクション

先日、人気blogランキングというサイトにこのココログを登録したんで、はたして自分のブログは何位なんだろうと見てみたら、571位でした。
まあ、こんなもんでしょ。

で、その一つ上位のブログをたまたま覗いてみました。dragon-tailというブログです。
そこの「でたらめを描くな」という記事にちょっと興味をひかれました。高橋留美子の「犬夜叉」が題材です。

dragon-tail主宰の龍3氏は犬夜叉における武具の使い方に異議を唱えてます。史実によればあのような使い方はされていない、と。その他についてもでたらめな表現をしていておかしいともおっしゃってます。
また、最後にはこう結んでます。

自由に想像の翼を広げていい部分と、ちゃんと歴史にのっとって描かなければならない部分があることがわからないのであろうか・・・

犬夜叉というアニメ(原作はマンガ)は、現代の女中学生かごめが古井戸のタイムトンネルから戦国時代に迷い込み、その時代に生きる犬夜叉と、かごめの前世とされる桔梗の3人をメインに織りなす物語です。
で、この作品の本質はなにかというと、ラブストーリーです。少なくとも僕はそう見ています。
ラブストーリーで最も重要なのは、関係する人々の人間模様で、その他については物語を盛り上げるための味付け程度にしか扱われないことが多々あります。時代設定や各種アイテムなどは、時としてその「テイスト」のみが必要とされ、リアリティを要求しないものもあります。犬夜叉についての時代背景や各種の武具についてはそういう意味でリアリティを追求されてないのでしょう。
コアな部分を凝縮して、その他の要素についてはスパイス程度にちょっと使う。言ってみれば犬夜叉はよく煮込まれたスープのようなものでしょう。
その対極として、歴史的・技術的な考証を積み重ね、作品に厚みをもたせる手法もあります。この手法の代表的な人を挙げるとすれば、攻殻機動隊を代表作にもつ士郎正宗氏がいます。

原作者の高橋留美子氏は、デビュー当時の「うる星やつら」以来、20年以上に渡って男女の人間関係の機微の妙を描くことでこれまで第一線で活躍し続けている漫画家です。
彼女は、大学教授が資料を借りに来るほどの歴史通である小池一夫氏の主宰する劇画村塾の出身でもあり、歴史考証や技術考証などの必要性・重要性についてはしっかりした教育もうけたでしょうし、以後のキャリアも長い彼女が、武具や戦国時代の言葉使い等の正しい情報については、必要とあらばキチンと作品の中に織り込んでいたでしょう。ということは、敢えてそれらを「排除した」ということでしょう。
正しい史実が必要な場合もありますが、演出上それらが逆に邪魔になるということも、ままあります。

犬夜叉という作品は、言うまでもなくフィクションです。
歴史の教科書やドキュメンタリーでもない限り、どのような時代設定をしようがどのような登場人物がいようが、どのような服装をさせようが自由です。
犬夜叉が8年もの長期連載をし、TVアニメ化もされるというのはそれだけこの作品を愛する人が多いということでしょう。

龍3氏のプロフィールを拝見すると、歴史や日本刀などに造詣の深いことが伺えます。
自分の好きなものがないがしろに扱われる歯がゆさは誰にもあります。僕にもあります。
でもフィクションはフィクションとして楽しまないと、面白くないです。

まあ、ツッコミを入れることを楽しむ作品もありますけどね。

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コメント

ご意見ありがとうございました。
わしも、高橋留美子さんの漫画・アニメは初期から楽しませてもらっている一人でして、だからこそ、ええかげんな描写があると、作品全体の質が堕ちて見えてしまって、歯がゆいんですよ。
フィクションだからもちろん、何をどう描こうが創作するものの勝手ですが、広く人々に愛される作品には、影響力が大です。そこで、些細な部分ではあるけれど、間違った認識が広まっていくのは、ちょっと耐えられない。そういう立場で、小言オヤジになりました。
犬夜叉でわしが一番興味持ってみているのは、戦闘描写なので、余計に気になるのかもしれませんね。

投稿: 龍3 | 2004.05.06 02:22

コメントありがとうございます。
人気作品ゆえの影響力の大きさはありますね。どの程度のリアリティを追求するかというのは、作り手としても難しい問題なのかもしれません。

投稿: VINCO | 2004.05.06 07:56

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