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イノセンス(その2)

さて、先日の「イノセンス」試写会の続き。

押井守監督の最新作「イノセンス」は95年に公開された「攻殻機動隊 -GHOST IN THE SHELL-」の続編にあたる。
前作は基本的に原作のコミックスのストーリーを踏襲しているが、このイノセンスはオリジナルのストーリー。

ストーリー内容や配役等についてはインセンスの公式サイトがあるのでそちらで確認していただきたい。
ここでは実際に試写を見た感想をいくつか述べたい。

まず、映像だが、これはもう濃密のひとことに尽きると思う。
全編にわたって一切の手抜きなし。さすがは完全主義者の押井作品といったところか。
キャラの線画を覗いてはほぼ全てがCGなのではないかというくらいの印象。
ただ、それだけに、アニメというよりはフルCG作品といった感じもしないでもない。
なんというか、「セル画の感じ」がかなり希薄なのだ。
あえて押井監督がそれを狙ったというのなら、納得もできるけどね。
サイバーパンクという作風である以上、無機質な感じは出てると思う。

音楽は長年コンビを組んでいる川井憲二氏によって見事な出来上がりになっている。
プロデューサーの鈴木氏が強く推したという、エンディングの「フォロー・ミー」も作品によくマッチしてる。
この主題歌についてはゲストで来ていた鈴木氏が語ってくれた。
押井監督は、過去の作品で全くミスマッチな歌を押しつけられてイヤな思いをしたことがあったらしい。
(それがどの作品のどの主題歌であるかは言わなかったが・・・推して知るべし)
それでこのイノセンスでは当初は主題歌はなかったのだそうな。
だが、映画を宣伝するうえで主題歌は欠かせないものであるのは誰もが認めるところ。
そこで鈴木氏が押井監督に「いい歌手がいるんだ、一度聴きに行こう」と誘ったのだそうだ。
へそ曲がり(失礼)の押井監督は「つまんなかったら途中で席を立って出てくからな」という条件で聴きに行ったところ、最後まで聴いていたのだそうな。
それでめでたく主題歌になったという。
ちなみに、映画で使われた「フォロー・ミー」は、オリジナルではなく、川井氏のアレンジで収録されたものが使用されている。

さて、一連の押井作品は「難解である」という評価が少なくない。
それは劇中で多用される台詞まわしだ。
過去の有名な著作や聖書などの一節が随所で使用されており、見ているものにとってはその基礎知識がないと理解できない部分があったりする。
これは押井監督のどうしてもはずせないこだわりなのだそうで、インセンスでもいたるところでそれが現れる。
だが、それが作品のもっとも重要な要素ではなく、聞き流してもストーリーを追えなくなることはない。
舞台挨拶でも押井氏は「そこさえ乗り切ってくれれば大丈夫」といって、コアなファンの笑いをとっていた。
BGM程度に考えてもOKということだ。
あたしゃ一部はなんとかわかったが、大半はBGM扱いにしました(笑)。

イノセンスの原作である攻殻機動隊の作者、士郎正宗氏はその作品が難解でわからないという評価もある。
そこへさらに押井守という難解な作風の監督による映像化により、2重のフィルターがかかっている。
お気楽に見ることのできる作品でないことは間違いない。
だが、その「ふたつのフィルター」を通して見える世界は、他に類を見ない。
だからこそ、コアなファンからは絶大な評価をうけているのだ。
日本国内よりも、むしろ海外での評価が高いアーティストというのは、日本では少数だ。

最後に、初めて押井作品を見るかもしれない人へ。
この「イノセンス」を見るならば、必ず前作の「攻殻機動隊」を見ておくことをお奨めします。
じゃないとホント、わかんないよ。
DVDも出てるので、チェックしてみてちょうだいまし。

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